当社初となる系統用蓄電池事業の運用開始について
~自社開発“JFEマルチユースEMS*1”により蓄電池を最適活用~
2024年10月21日
JFEエンジニアリング株式会社
アーバンエナジー株式会社
JFEエンジニアリング株式会社(社長:福田 一美、本社:東京都千代田区、以下「当社」)は、エス・ディー・エル株式会社(社長:松田 光生、本社:東京都港区、東京センチュリー株式会社の100%子会社)、JFE商事株式会社(社長:小林 俊文、本社:東京都千代田区)と出資・設立したJ&S蓄電合同会社(本社:神奈川県横浜市)による系統用蓄電池事業(以下、「本事業」)を開始し、事業関係者出席の下、10月18日に開所式典を執り行いました。
本事業は、一般社団法人環境共創イニシアチブが公募していた「令和4年度補正 再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金」の採択を受け、JFE商事グループの株式会社九州テック本社(熊本県玉名郡)の社用地で行うものです。
本事業の目的は、再生可能エネルギーの不安定な出力変動の吸収など、系統安定化に寄与することに加え、他地域よりも出力制御*2が多く発生している九州地域の再生可能エネルギー導入及び活用のポテンシャル向上に貢献することです。当社は、2022年に蓄電池事業に参入し、需要家用蓄電池はこれまでに9件(合計容量:3.2MW/15.0MWh)運用を開始しておりますが、系統用蓄電池の運用開始は初となります。
本事業において、当社は多種多様なプラント建設で培ったノウハウや実績を活かし、EPC(蓄電池選定・設計・調達・建設)・O&M(運転・保守)を行います。当社100%子会社のアーバンエナジー株式会社(社長:小林 厚、本社:神奈川県横浜市、以下「アーバンエナジー」)は、当社と共同開発したJFEマルチユースEMSを用いて蓄電池の最適運用を行い、充放電計画の策定、各電力市場へのアクセス、供給力及び調整力の供出などで収益化するとともに九州地域の電力需給安定化に貢献します。今後は当社の技術力及びアーバンエナジーの電力需給運用のノウハウ、共同開発したEMSを活かして、電力の制度改定へも柔軟に対応していくと共に、需要家用蓄電池・系統用蓄電池に留まらず、再エネ発電所併設型蓄電池などの展開も検討を進めていく予定です。
JFEエンジニアリンググループは、太陽光、風力、バイオマス、地熱、小水力等の再生可能エネルギー電源の開発や運営、コーポレートPPAの推進、需要家及び・系統用蓄電池の導入、行政等との連携による地域新電力事業等、様々な取り組みを通じて、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、貢献してまいります。
*1JFEマルチユースEMS(Energy Management System):
気象予測・広域予備率等のデータを用いた需要予測や市場価格予測に基づき、3つの市場(卸電力市場、需給調整市場、容量市場)への調整力・供給力の供出を最適に行える
充放電計画の作成及び遠隔地にある蓄電池の高速自動制御及びリアルタイム監視を行うシステム
*2出力制御:
電力の需要と供給をバランスさせるために、供給側の発電量を制御すること。
■開所式の様子
左から
JFE商事㈱ 事業開発センター長 吉松 孝司様
エス・ディー・エル㈱ 代表取締役社長 松田 光生様
JFEエンジニアリング㈱ 電力ビジネス事業部長 小林 厚
㈱九州テック 代表取締役 君嶋 英樹様
【事業概要】
事業主体 | J&S蓄電合同会社 |
事業内容 | 蓄電池事業 |
出資者 | JFEエンジニアリング株式会社 エス・ディー・エル株式会社 (東京センチュリー株式会社100%子会社) JFE商事株式会社 |
蓄電池設置場所 | 熊本県玉名郡長州町 |
定格出力 | 2MW |
定格容量 | 8.4MWh |
運用開始 | 2024年10月1日 |
【各社概要】
■JFEエンジニアリング株式会社
設立 | 2003年4月1日 |
本社所在地 | 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 |
代表者 | 代表取締役社長 福田 一美 |
事業内容 | プラントや構造物のEPC(設計・調達・建設)、製造、運営事業など |
■エス・ディー・エル株式会社
設立 | 1991年1月10日 |
本社所在地 | 東京都港区新橋5-13-1 |
代表者 | 代表取締役社長 松田 光生 |
事業内容 | 自動車および各種動産リース業およびレンタル業 |
■JFE商事株式会社
設立 | 1954年1月5日 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目9番5号 |
代表者 | 代表取締役社長 小林 俊文 |
事業内容 | 鉄鋼製品、鉄鋼原料、資機材、不動産等の国内取引、輸出入および外国間取引 |
【蓄電池EMS概要】
以上